植物の名を本当に知らないんだよな、と思う。
子供の頃からそうだ。虫とか魚はわかるけど植物はわからない。何の花なのか、何の木なのか。
小説を読んでいると木や花の名前が出てくることがあるが、どういう植物なのかイメージできないのでググる。でもすぐ忘れる。
こうして写真を撮っても、何の花なのかということについてはわかっていないし、実はあまり興味がない。なんかかわいいな、と思って、どう撮ったら魅力的に写るのかなと試行錯誤する。
でもその花が視界に入ってきたときのインパクトみたいなものを写真に収めるのは容易ではない。
花に限らず、ちょっとした風景でもそうだ。「これだ」と思っても、撮ると何か違う。肉眼で得たものがただの視覚的情報になってしまう。
それでも、足元にこんな豊かな世界が広がっているということに気づける、それだけで、写真をやっていた意味はあるのかもしれない。