映えない

人生が映えない人間は写真も映えない

2019年6月2日・私が撮りたかった女優展

「私が撮りたかった女優展」に行ってきた。場所は代官山WHITE ROOM。

https://guilloche.jp/actress_ex/

 唐田えりかは『寝ても覚めても』、奈緒はドラマ「サバイバル・ウェディング」、久保田紗友は『ハローグッバイ』、蒔田彩珠是枝裕和の作品で知っていた。松浦りょうという人だけ知らない。すみません。

 写真撮影OKということだったので何枚かシャッターを切った。さすがに1枚をアップで撮ったりはしなかったけど。個人的に気に入ったのは、山本春花さんが撮った奈緒さんの写真(フィルムである)と、J.K.Wangさんが撮った蒔田彩珠さんの写真だった。

 途中で写真が趣味の某有名人さんが来て、よく通る声で写真家さんたちと話していた。いい声だった。自分にはあんないい声は出せない。

「これ、インスタとかで声かけたの? いいね、おじさんがそれやるわけにいかないもんなあ」

 まったくもってそのとおりである。

 それはともかく、明日までだから行ける人少ないかもしれないけど、よかったらどうぞ。

 最近の自分は相変わらず何も撮りたくない、というか撮れない気分。前は下手なりにでも撮ろうという気持ちはあった。最近は何を見ても「ああ、撮れない」と思う。そのせいなのかどうなのかはわからないが、クラシッククロームに気持ちが傾いている。

 ところでFlickrのアカウントがわからなくなったので、Google Photoに写真を上げてみた。画質的にはどの程度のものなのだろうか。

 代官山を出たら調布に行ってハービー・山口さんの写真展を見た。帰りに六本木の富士フイルムに行ってX-T2のぶっこわれたアイカップの代わりを買って、買えもしないのにX100Fを触ったりしてみた。係の人が「これは光学ファインダーと電子ファインダーをここで変えることができて…」と、すでに知ってることを丁寧に説明してくれるので少し気の毒な気分になった。

 近くの写真展できれいな女の人がいるな、と思っていたら次の瞬間には白人の男性に肩を抱かれていた。

石垣島旅行3日目〜最終日

2日目の記事からだいぶ間があいてしまった。誰にも期待されてないけど3日目。

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3日目はホテルのそばでレンタカーを借りた。車を運転するのは数年ぶりで、「アクセルはどっちだったっけ」「ハンドルはこれですか?」「シフトレバーの“Ds”って何?」とという危なっかしさ。車種は忘れました。トヨタだったと思う。写真も撮ってあるけど見ただけでは車種がわからない。本当に車に興味がなくて申し訳ない。

すべてGoogle様で確認してから、まずは玉取崎展望台を目指す。

市街地からは車で30〜40分だった。ペーパー状態なだけに、この程度の時間でも長く感じる。

石垣島は車も信号も少ないのだが、そのぶんそれらがたまに現れると恐怖に陥る。バックミラーに後続車が現れると、それだけでスピルバーグのデビュー作「激突!」の主人公のような気持ちになった。

激突! (字幕版)

激突! (字幕版)

 

なんとか着いた玉取崎展望台の見晴らしはすこぶるよく、そろそろ海と空は見飽きてもいい頃なのだが全然飽きない。写真が下手なので、このブログの読者はそろそろ飽きている。

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昼食のため、近くのカフェへ。車を降りて徒歩で向かったら異常に遠く、途中で倒れそうになる。道路には車に轢かれたハブの死体がこびりついている。不吉だ。突然頭のおかしな若い男が車に乗ってきて、ちょっと家まで送ってくれないかと言ったあと突然自分の手をナイフで切り刻み始める、そんなことが起こってもおかしくはない。

なんとか店にたどりつき、パスタで昼食完了。

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店を出たら急に天気が悪くなっていておののく。不吉だ。旅を終えて帰ったら、職場で「島の天気は本当に変わりやすいさー」と適当な方言で知ったかしようと思った。

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車にたどり着き、今度は石垣島北端の平久保崎灯台へ

しかし着いてみると問答無用の大雨。

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公衆トイレのひさしでじーっと待っていたら雨が止んだので、灯台へ向かう。

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まあなんというか、普通に灯台だった。曇ってきたせいなのか写真がぼんやりし始める。

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平久保崎灯台は“恋する灯台”に認定されているらしい。でも平久保崎灯台が何に恋をしているのかはわからなかった。相手は船とか島、ということになるのだろうか。ちなみにここは日本人も外国人もカップルが特に多くて、さすがに自分の場違い感が際立っていた。カップルの間で“恋する灯台”の写真を撮る39歳独身男。ひどい絵面である。

このあと石垣島サンセットビーチに行こうとしたのだが、どう行っていいかわからず断念することになる。カーナビの指示通りに車を走らせたら狭い路地のような場所に入ってしまい、対向車が来たら即死という状況で車を走らせることが怖くなって、結局県道に出た。あとで市街地のバーの人に話を聞いたら「あそこはわかりにくいんですよ。気にせずそのまま走っていけば浜に出るんですけどね」と言われた。「対向車が怖いの…ねえ怖いの!」と浅野温子ばりに言ったら、「来たら来たときですよ」と返された。*1

ここで行ったりきたりして「ルートから外れました」という機械的な音声を何度も聞いたあげく、最後には「人生のルートからも外れました」と幻聴が聞こえ、さんざん時間をロスしたあと、名所と名高い川平湾へ。

指示どおり走ってたら狭い道に入って、ものすごく不安になる。車がいたらいたで怖がるしいなかったらいなかったで怖がるし、カーナビも「どうせえ言うねん」と言いたくなったことだろう。

なんとか駐車場に入り、車庫入れ。僕は臨機応変に運転するのはうまくないけど、車庫入れだけは教習所時代からそこそこうまい。対照的に、うちの弟は臨機応変な運転はできるけど車庫入れが犯罪レベルで下手。おまけにバカ。婚約者の兄に博打ですった金を借りる。1年で離婚する。ダサい。…おっと全然関係ない話になってしまった。

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川平湾は潮の流れが速いので遊泳禁止。

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グラスボートといって、泳がずして海中を眺めることのできる遊覧船サービスがあるんだけど、少し迷ったあげく時間もなかったのでやめておいた。というか1日目か2日目のエントリーにも書いたが、いくらなんでもカップルと家族が多すぎる。1人で来ている人間が本当にいないのである。恋する灯台を1人で見て、カップルに囲まれながら海中を眺めてどうするんだ。アクアマンにでもなる気か。

川平湾を去り、市街地へ。最後に指定のガソリンスタンドで給油してから返さなければいけないので、カーナビで目的地指定する。いざ着いてみたらスタンドがほぼ満車。中途半端な位置で車を停止させ待っていると従業員が手招きするのでそちらへ。「オーライオーライオーライ…ス、スススストップ!ストップ!!!!!!!ちょちょちょ、ちょっと、神輿やないねんから!」と従業員が必死に制止する。危うく車体をこするところだったらしい。

「満タン」と言って待っていたら「給油口明けてもらえますか?」とのこと。開けてしばらくすると「…開いてないんですけど」。間違えてボンネットを開けていた。「いやーすいませんねーボンネット開けちゃったーアハハ」と謝ったが、従業員は仏頂。赤面しつつスタンドを出てからなんとかレンタカー店に戻る。

車を降りると、近くでやはり車を返却していた子供連れの夫婦が、レンタカー店の店員と何やら話している。見ると、どうやらぶつけたようだ。車のバンパーが凹んでいる。うわわー、やっちまいましたねぇと思っていたら、店員が車をチェックしに来た。いろいろあったけど車は無事です!と最敬礼しつつ、ふと見たらボンネットがうっすら開いていた。そっと閉めた。

夕食は予約していた「焼肉オリオン」へ。

retty.me

石垣島に滞在中、行った店ではここが一番うまかったかも。車運転したストレスのせいかそんなに大量に食えなかったのがもったいない。今思い出して「なんでもっと食わなかったんだ」と腹が立ってくるぐらいである。けっこう有名な店のようで、オリオンつながり(と、キャンプ地だったかな)で千葉ロッテの選手のサインがずらっと並んでいた。その中に水川あさみのサインもぽつんとあった。なんにせよとにかくおいしかったので、次に石垣に来たら絶対行きたい。

そして夜、通い続けたバーに。最後の夜である。

店に入って行くと、きれいな女性がカウンターに座っている。ここで脳の血管が切れそうなぐらいテンションが上がるが、隣にしっかり男性が座っているのを見て血圧が一気に下がる。上は20、下は7ぐらい。皮肉なことに、店員さんにうながされてそのきれいな女性の隣に座る。もう血圧は上が4、下が1ぐらい。朝起きれない。

しかし僕は、ここである事実に気付く。このカップル、どこかで…。

なんとこの2人は、2日目の竹富島で見かけた美男美女の若カップルだったのである。店員さんが「こちらのお客さんも竹富に行ってたんですよ」と言うと、育ちも頭も良さそうなカップルがこちらを見て「え、そうだったんですね!」とほほえむ。尼崎の汚染された空気とドブ水で育った育ちも頭も悪い僕は「へ、へへへ、そうなんです…」と返して、フルーツがいっぱい突き刺さったカクテルを飲む。*2

もしかして自分に遭遇してたこと、気づくかな、どうかな…と思って少し期待したのだけど、若くて未来もある2人はそんなことまったく気づかなかった。当たり前だ。ハイシーズンの石垣島に1人で来てるみすぼらしいおっさんのことなんか、最初から視界に入ってるわけがない。

カップルが去ったあと、名伏し難い敗北感に襲われつつちびちびと酒を飲んだ。みじめな現実しかない東京を離れて石垣島に来て美しい風景を目にし感動したものの、信号と後続車におののき、カーナビにコケにされ、給油口を開けようとしてボンネットを開けホームラン級のバカを見るような視線を浴び、最後の夜に他人様の一点の曇りもない幸せぶりを見せつけられる…これぞ“ザ・俺”、負の満漢全席と言わんばかりの旅路ではないか。

翌日、雨が降る中僕は石垣島をあとにした。でもいろいろあったが、滞在中に晴れただけでももうけものではないか。僕は運がよかった。とても。1人だけど。

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さようなら、石垣島。また来るよ。次は誰かと一緒に。

そして僕は慣れ親しんだ関東平野を慣れ親しんでいない上空から拝み、ふたたび東京砂漠へと帰っていくのだった。

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〜完〜

PS

以前のエントリーにも書いたけど、この石垣島旅行はThe Cat's Pajamasさんをかなり参考にしている、というかほぼパクっています。石垣島への旅をちゃんと考えたいなら、僕の便所の落書きみたいな旅行記よりもThe Cat's Pajamasさんを見たほうがよっぽど役に立つので、今すぐこんな不幸の手紙みたいなブログからは移動しましょう。

www.nekopajamas.net

なお、この旅では東京ではほとんど使わない14mmレンズを使用することが非常に多かった。石垣島行くなら広角レンズは必須かもしれない。

FUJIFILM ミラーレス一眼 X-T2 ボディ X-T2-B

FUJIFILM ミラーレス一眼 X-T2 ボディ X-T2-B

 
FUJIFILM 単焦点超広角レンズ XF14mmF2.8 R

FUJIFILM 単焦点超広角レンズ XF14mmF2.8 R

 
FUJIFILM 単焦点標準レンズ XF35mmF1.4 R
 

 

*1:それにしても、ネタが古いな。

*2:おいしいんです、これが。石垣島でないと飲まないようなタイプのカクテルだけど。

石垣島旅行2日目・竹富島編 その2

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石垣島旅行2日目・竹富島編その2。

星砂浜で遠くの空に怪しい雲がむくむくと発生していることに気づいていたので、ゲリラ豪雨をくらう前に逃げよう!と自転車にまたがった。

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なんとなく空も曇ってきたので少し焦る。ちなみに、写真を見てもわかるようにほとんど車は走っていないので、自転車で車道を走り放題。というか車が少ないせいかちゃんと舗装がされておらず縁石などが荒れてるのがいい感じである。

少し道に迷ったものの無事集落に到着。ゲリラ豪雨への不安は杞憂であった。本当に天候が変わりやすい場所なのだ。

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↑100円を払って登れる展望台(といっても普通の建物をちょっと改造したような場所)に登って撮影。こういう場所ってどうもうまく撮れない。雑誌とかにもこの展望台からの光景はよく載ってると思うんだけど、プロはどうしてあんなに的確に「いい景色」が撮れるんだろうか。答えはプロだから。

天気がいいのはいいことだが暑すぎて消耗…通りかかったかき氷屋に入る。

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なんと、注文してから出てくるまで40分待ち。僕は食べ物屋で並ぶことが基本的に嫌いなのだけど、竹富島の青い海のおかげでシャブでも打ったかのようにハイになっており、「ヒャッハー40分でも400分でも待つざます」と、お店のおすすめである黒糖蜜をかけたかき氷を頼むことに。

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このような感じで、雪のような氷でできたかき氷が出てくる。この繊細な氷を作るために40分かかるのだろう、きっと。見ての通りかなりボリューミーだし、下のほうまで食べると白玉団子が2つほど入っている。次に来たときはブルーハワイとか定番のを食してみたいかな。

写真には撮っていないけどこのかき氷屋にはたくさんのお客がいて、その中にははっと目を引くような若い美男美女カップルがいたりした。この二人もそうだったのだけど、今回僕が石垣島および竹富島で見かけた旅行客は関西人の割合が多かった。外国人も多かったけど、それ以上に関西人が多い。自分ももともと関西人だし別にいいんだけど、どうしてだろうと不思議な気持ちになった。単純に、関西からのほうが旅費が安いから?前述の若い美男美女カップルも関西弁だった。この二人とはこの旅行の中で思わぬ再会を果たすことになるのだけど…。

かき氷を食べ終わってからは、しばらくあてもなく自転車でふらふら。

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牛がいるのは知っていたが馬もいるとは知らなかったので、ちょっと驚いた。

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結局乗らなかった水牛車。ちょっとかわいそうだからというのも乗らなかった理由なのだけど、結局この日も翌日も石垣牛を食しているので全然説得力がない。車を引く牛とはまた違う牛なんだろうけど。

夕方に竹富島から石垣島へ戻った。20時から夕食を予約していたので、シャワーを浴びてベッドに寝転がり携帯を眺める。

折しも日野日出志が画業再開というニュースを目にして「つか休止してたのか」と思いつつも、懐かしくなり「毒虫小僧」で画像検索をしたりする。小学生のときに立ち読みしてトラウマになったマンガである。小学生のときは「怖い」「キモい」が先に立っていたけど、大人になってからあらすじを読み直したり一部コマを見ていると「悲しい」気持ちのほうが大きくなった。こんなにかわいそうな子だったのか、主人公は…と、ブルーな気持ちになった。石垣島のホテルで。石垣島に遊びに来て日野日出志のマンガ読んでる奇特な人間も自分ぐらいのものだろう。

予約の時間が近づいてきたので徒歩で店へ。思ったよりも遠く少し汗をかくが、知らない街にひとりぼっちという恋しさとせつなさと心強さとがないまぜになったような気持ちで足取りは軽い。初日に痛打した左膝の痛みも消えている。あとは「上司との長い不倫に終止符を打ったあと、身も心もリフレッシュするために南の島を訪れた」東京出身のアラサー美女と出会うだけである。

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店にはカップルと家族しかいませんでした、いませんでした、いませんでした……。

初日のイタリアン同様、悪天候のせいで魚が獲れなかったことから、6種盛りの刺し身が2種盛りになってしまった。仕方がないので、2種盛りと海ぶどうやらを適当に頼む。それにしても、“2種盛り”という言葉のこの奇妙なバランス。盛っていることには違いないが、せめて盛りは3種からではないだろうかと悩んでしまう。

黙々と一人で食事をしていると、隣のカップルが去った。そして新たに別のカップルが隣に座った。居酒屋はカップルであふれていた。この話を後日同僚としていたら「たぶん君は地元民にしか見えなかっただろうな、まさか東京からの旅行客とは思うまい」と言われた。さもありなん。

食事を終えたあと、1日目に行ったバーへ向かった。なんの話をしたかよく覚えていないが、「焼けましたね〜」と言われた。

筆者「そうですか?日焼け止め塗ったんだけど」
店員さん「はい、美白(筆者訳:蒼白)からいい色に」

このとき話した店員さんにコンドイビーチの写真を見せると「絵心ありますね〜インスタとかやってます?フォローしていいですか?」と言われたので、少し得意な気持ちでアカウントを教えた。

あとで、自分のアカウントをフォローしてくれたそのお店と店員さんのアカウントを見たら自分より全然いい写真が多かった。そういうものである。

3日目へ続く。