映えない

人生が映えない人間は写真も映えない

今夜、すべてのバーで

X100V

未婚の人が増えてるとか若者が恋人を作らない、とかいろいろ言われてるが、街を歩けば男女のカップルは多いし、自分の周囲ではベビーラッシュが来ている。

そういったことに劣等感を抱く(あるいは劣等感を抱くふりをして笑いを取る)ことにも飽きた。

毎週のように常連のバーへ出向く。いつも顔を合わせるのは男・男・男で、異性愛者である自分からすれば特に面白いこともない。

面白いこともない、というのは嘘だ。数人は話が合う男性がいる。彼らは一様に既婚者であるが「そんなことは問題にならない。自分はこれからも恋したい」的なことを言う。

今夜、すべてのバーで男女比の統計を取ったらたぶん9:1ぐらいで男性が多いと思う。でも今夜は日曜だからバー開いてないか。今夜が山田。

山田で思い出したけど、僕は「ハチミツとクローバー」では山田派(そんな派閥が存在するのか知らんが)で、はぐみの良さが全然わからない。正直に言うとあのマンガの結末にはちょっとおののいた。おのののかみたいになってるが、慄いたのである。

それはともかく、歳を重ねると「いちゃこらしたい」だけではなくて「人生、いちゃこらするだけでは済まない」ということに考えが及んでしまう。だからやっぱり1人が楽だよな、と思う。でも人間は基本的には誰か他人を求めてしまうものだから「いちゃこらできるといいな」とやはり考えてしまう。

たまに、僕のような人間に興味を持ってくれる奇特な御仁が現れる。でも僕はその人に対して特別な感情を抱けない。私はぜいたくなのでしょうか?