映えない

人生が映えない人間は写真も映えない

メリー・クリスマス、ミスター・ローレンス

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CONTAX T2

 

クリスマスということで最近久々に坂本龍一の「戦場のメリークリスマス」を聴いてるんだけど、たぶんこの曲は自分にとって“初めて意識して聴いた映画音楽”なのではないかと思う。

記憶がおぼろげだけど、父方の祖母の家のテレビか何かであの映画を観たような気がする。もちろん映画『戦メリ』の内容は幼稚園だか小学生だかの子供には到底理解できないものだ。でもなんとなく、最後のビートたけしの笑顔とあのテーマ曲だけは頭にこびりついている。それはちょっと懐かしくて寂しい記憶だ。

中学生になってから本格的に音楽を聴くようになって、高校に入ったとき買ってもらったオールインワンシンセサイザーで最初に打ち込んだのは「戦メリ」だった。スコアを見ながら相当の時間をかけてあの曲をプログラミングし、1曲完成したときの感動は大きかった。

それからもう一度映画を観て、けっこうな衝撃を受けた。今ほど映画も観ていなかったから、やはり内容はよくわからなかったのだけど、とにかく「いい映画」で悲しい物語だということだけは肌で感じた。もちろん大島渚の映画なら松竹ヌーヴェルヴァーグ時代とかほかにもっといいのがあるよ、というのもわかるのだけど、やはり『戦メリ』のインパクトは大きかった。

思い起こしてみれば、自分が小学生のときから第二次世界大戦に興味があるのは『戦メリ』の影響なのかもしれない。この映画が戦争そのものを描いているのかというとちょっと微妙なところだとは思うのだけど、『火垂るの墓』と並んで、『戦メリ』は僕が“間接的にとはいえ最も戦争に近づいた”体験なのではないかと、そう感じていたりするのだ。何言ってるのかよくわからないしわかりやすく文章まとめる気もないが。ビール飲んで寝ます。