Nikon D90, レンズ何だったか忘れた, 1/50, F5.3, ISO 1600
アラーキーこと荒木経惟さんが25年ぐらい前に出した『愛しのチロ』という写真集がある。
アラーキーのチロは猫だったのだけど、偶然僕の実家で飼っていた犬もチロという名前だった(本当は“チロル”なんだけどいつの間にかみんな“チロ”と呼ぶようになった)。
チロは僕が高校生のときに、当時小学生の弟が拾ってきた。どうせ飼ってはいけないと言われるのに…と思っていたし、どうするんだろうと思っていた。母親は「あの子犬全然動かないしもう死ぬんじゃない」と言っていた。
しかしチロはすくすくと育ち、元気に15年ぐらい(だったかな)の生涯を我が家で過ごした。死んだ時は僕はもう実家にいなかったので、母親から連絡を受けたのだった。弟が拾ってきた時、一番冷淡だったのは母親だったのに、いつの間にか母親が一番チロをかわいがっていて、散歩にも行くようになっていた。チロも母親によくなついていた。
チロの一生が本当に幸せだったのかはわからない。避妊手術はしていなかったし、そもそも避妊手術を施すこと自体が人間のエゴだし、「かわいい」「癒される」という理由で動物を飼うこと自体がもうスーパー身勝手な行為だ。と、個人的には思う。
もちろん家で飼われている犬猫はかわいいけど、道端で時折遭遇する猫たちと、馴れ合わず距離を保ちながら付き合う程度がいいのかなと今は思っている。