映えない

人生が映えない人間は写真も映えない

ベランダ

DSCF8464.jpgX-T2, FUJINON XF35mm F1.4 R, 1/2500, F1.4

 去年の夏に引っ越してきたアパートから、ちょっとした景色が見える。目の前に一軒家が建っていて視界がひらけているわけではないのだけど、ちょっとベランダを移動すれば最寄り駅のビルも見える。毎朝、あそこまで歩いてるんだなと思うと不思議な気持ちになる。

 一時期、このベランダから見える空を毎日撮っては1枚ずつアップしていたのだが、だんだん義務感ばかりが募るようになってやめてしまった。

 それでも、僕はベランダに出てそれほど美しくもない景色を眺める。この日は西陽が大学校舎の窓に赤く反射していたので急いで撮った。どうということのない写真だが、「これは撮らなきゃ」と思った気持ちそのものは間違いではないはずだと思っている。そのうち引っ越して、この光景が見えなくなったらそれはそれでちょっと寂しい気持ちになるだろう。以前住んでいた家の近くの木が切られたり、建物そのものが取り壊しになったときのように。

 夏にはこの場所から花火が見えたりする。今年はSUMMER SONICに行ってたんで見なかったんだけど。